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山用サングラスの選び方

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『山におけるサングラスの選び方』

山と言う特殊な環境下におけるサングラスの選び方を特集していきます。登山・スキー・トレイルランニング・パラグライダー・MTB etc…様々な山でのアクティビティがある中、自分自身の体験に加え、ご協力頂いている山岳ガイドやパラグライダー、トレイルランニングなど多くのアスリートの貴重な意見をもとに、サングラスの役割から山用サングラスの選び方についてご説明をしています。
内容は維持更新して追加していきますので、目次をご参照の上ご自身に必要な情報を参考に頂ければと思います。
文章:㈱モンテパズプロダクツ代表:松田
スポーツサングラス事業に長く関わって来た経験を活かし、サングラスのフレームからあらゆるスポーツ用レンズに関する知識と経験を集約してお伝えしていきます。これまで山用のサングラスを深く掘り下げ多面的に特集したモノはありませんでした。是非皆様のお役に立てればと強く願っています。
目次
1:サングラスの使命
2:登山スタイル別の選び方① (トレイルランニング、一般登山、雪山登山、高所登山、)
~全てのシーンに共通した必須機能~
~スタイル別サングラス重要機能~
a.トレイルランニングやその要素が強い登山
b.一般登山(無雪期
c.雪山登山(雪山~春の残雪エリア)
d.高所登山

 

【1:サングラスの使命】

最初に山におけるサングラスが果たすべき役割についてご説明します。すべてを考えるベースとして最も大事な要因となります。この役割がはっきりする事で、何が必要なのかが見えてきます。
「サングラスの4大使命」
下記の4点がサングラスが果たすべき大きな役割となります。
①眩しさの軽減
眩しさを抑えて、視界を快適にするだけでなく、長時間の強烈な光線による脳・体の疲労も軽減させます
②紫外線など有害な光線から眼を保護する
※雪山では眼の炎症を予防する(一般的に言われる雪目を防ぐ)
③枝・風・ほこり・砂・雪 などから眼を保護する
④ファッション性
①眩しさの軽減
眩しさの軽減という効果は誰もが一番分かりやすいサングラスの役割です。ギラギラと照り付ける日光を遮り、快適な視界をキープする役割です。ただ、山では日常と違いこの効果は非常に大切なモノとなります。②の紫外線などとも関連しますが、長時間隠れる陰や建物の無い場所で強烈な光線を眼に浴び続けることは、眼だけでなく脳や体全体への疲労とダメージを与えることになります。
②紫外線などの有害光線から目を保護する
「UVインデックス(紫外線の強さ)は標高が1000m高くなると約10%増加するとされています」
日本人はなかなかサングラスを日常に使用する習慣がありません。ただ山は特殊な環境です。一般的には、UVインデックスは標高が1000m高くなると約10%増加するとされています。しかも登山者にとっては一番うれしい状況である、快晴で空気が澄んだ時はさらに紫外線が強くなる傾向があり、ドイツでは1000m当たり50%以上も増加したとの観測結果があります<気象庁WEBサイト参考>
晴れた山で一日遊んだ後の、肌の日焼けなどを思い浮かべて下さい。あれほどの紫外線を眼にも受けていると考えれば、相当なダメージが蓄積する事になります。眼にはUVクリームなどを塗ることが出来ません。サングラスでガードするしかないのです。紫外線の害は、急性の紫外線角膜炎の他にも、歳を経た後に白内障や慢性の翼状片などと言った症状を引き起こします。
③枝・風・ほこり・砂・雪などから眼を保護する
サングラスには風やほこり・砂・雪・氷などから眼を保護するとても大切な役割があります。サングラス使用率の高い自転車などの世界では、既に広く認知された機能です。ハイスピードでの運転中に風やほこり・砂によって視界が低下する事は即危険につながります。自転車ほどのスピード状況ではないとしても、山では強風・突風によって視界を遮られたりする事も多々あります。山頂近くの岩稜帯や鎖場で視界が落ちる事はとても危険な事です。街での生活以上に砂が舞い上がりやすい環境である山では、サングラスの保護効果は大きなものとなります。雪山などでは、横からの強烈な風と共に吹き付ける雪や氷で目の角膜を痛めて視界を失ってしまうケースもあります。また樹林帯では枝葉の出っ張りから眼を保護することにもつながるのです。
④ファッション性
これもサングラスの大きな役割であると思います。眼を保護する機能が優先とは言え、顔に掛ける事を考えればメガネと同様に、サングラスも見る人に一番インパクトを与えるファッションアイテムになります。その効果は絶大です。多くのデザインやカラーのモノが発売されています。その中から自分に合うものを選び、カッコよくかけることも大きな楽しみとなります。

【2:登山スタイル別の選び方(トレイルランニング、一般登山、雪山登山、高所登山)】

スポーツサングラス選びの前提として、1本で全ての状況やあらゆるスポーツに対応出来るモノは無いと言う事ご理解ください。後で紹介する調光レンズを搭載したスポーツサングラスなどは幅広く使えますが、それでもすべてをカバーする事は出来ません。
スポーツの種類や使う場所が変われば、求められる機能も変わってきます。その事を理解し、自分が一番何に重きを置いて選ぶかが大切になります。もちろん、選んだサングラスをそれ以外の様々な違ったシーンで使う事も出来るでしょう。ただ、その時にベストな印象を受けなくても諦めなければいけないと言う事です。
実際に山用のサングラスを選ぶに当たり、下記2点が要因となり選ぶ基準が大きく変わります。
A:「登山スタイル」 ×  B:「季節」
「A 登山スタイル」の内容としては 一般登山 雪山登山 高所登山 トレイルランニング
「B 季節」の内容としては大きく2シーズン ①3シーズン(春・夏・秋) ②ウィンターシーズン(春の残雪期を含む)
このA,Bの内容の組み合わせによって重要となる機能が絞り込まれていきます。

~全てのシーンに共通した必須機能~

どの登山スタイルであれ、季節の状況であれ、共通して求められる必須機能があります。まずはその重要機能をご説明します。
<1>有害な紫外線(眼には見えません)をカットしているレンズを使用している事

最近のサングラスはほとんどUVカット機能が付いているのでありがたいですが、必ずチェックしてください。
※可視光線(眼に見える)の中のブルーライトを軽減しているとより良い。ブルーライトの軽減しているレンズは全てではありません。店舗スタッフに聞いてみましょう。
<2>風・砂・雪・ほこりと紫外線が入り込まない様に、大きなすき間が空かない構造になっている
レンズがカーブして顔のすき間をなくすタイプやフレームが大きく囲むタイプ、革やラバーの風防が付いてすき間を減らすタイプなどがあります。※モデル例は添付写真をご覧ください。
最近、普通のメガネに近いものを「スポーツ用です。」として販売しているお店があるので注意が必要です。
『目次1』で説明したサングラスの使命4つのうち下記2点をカバーする大切な機能となります。
・紫外線など有害な光線から眼を保護する
※雪山では眼の炎症を予防する(一般的に言われる雪目を防ぐ)
・枝・風・ほこり・砂・雪 などから眼を保護する

~スタイル別サングラス重要機能~

サングラス選びにあたり、登山スタイルを以下の4パターンに分類しました。
a.トレイルランニングやその要素が強い登山
b.一般登山(無雪エリア)
c.雪山登山(雪山~春の残雪エリア)
d.高所登山
各スタイル別に重要となるサングラスの機能を見ていきます。
(注意)自分の顔へのフィッティングは満たしたものとして話を進めます。当然掛心地はサングラスの重要な要素ですが、それは基本要因として特に機能の一つとしては取り上げていません。それ以外の山に関連した機能にフォーカスしています。

<a.トレイルランニングやその要素が強い登山(無雪エリア)>

『フレーム構造』
長時間の使用でも負担の少ない軽量素材であること。振動でもズレないしっかりとしたフォールド。下半分にはフレームの無いハーフリムタイプの方がベターとなります。理由としてトレランでは足元へ集中するシーンが多く、その視線の邪魔にならい。また、汗がフレームに溜まらずに落ちてくれると言うメリットがあります。
『レンズ』
素材としては軽く割れないレンズとして、ポリカーボネートまたはNXTという素材がスポーツサングラスの基本です。
レンズカラーはスピードもある状況なので、コントラストを高める視認性の良いもの。夜間にも対応できるように、クリアーレンズに交換できるものか、色の変わる調光レンズが良い。中でもクリアから色の変わるの調光レンズであれば、一日中使用できます。日本では暗い樹林帯も多いので、あまり透過率の低い濃いレンズカラーはこのスタイルには適しません。

<b.一般登山(無雪エリア)>

『フレーム構造(春夏秋)』
激しい動きの少ない3シーズンの一般登山では、最初に挙げた、全てに共通する必要条件2つを満たしていれば、ある程度自分の好みを優先して選んでいけます。当然ですが品質の良いものを選びましょう。重すぎたり、破損しやすい素材・構造ではなく、しっかりしたメーカーを選ぶべきです。
ヘルメットを使用する登山の場合は、ヘルメット、耳、テンプル(つる)の相性がありますので、サングラスのテンプルが長すぎたり、特殊構造、太すぎるものなどは避けた方が良いでしょう。
『レンズ(春夏秋)』
安全性を考慮しレンズ素材は割れにくいポリカーボネートまたはNXTがおすすめ。
照返しの光線を抑える偏光機能が付いたものも良い。レンズカラーは本人の好みにも影響されます。コントラストを高め視認性の高いレンズが良いのか、もっと自然の色に見えるカラーが良いのか。実際にかけてみて判断してみましょう。一般的にグレー系のレンズカラーは対象物が自然に見えるレンズカラーです。無雪期の低山であれば、極端に濃い色のレンズは必要ありませんが、日本人でも、眼が光に弱い人もいます。夏でも光を遮るものの無い3,000mの稜線ではかなりの強い光線を感じます。その場合は少し濃い目のレンズでも良いと思います。山の晴天時は非常に明かるいのです。やはりここでも色の変わる調光レンズがおすすめです。クリアから色の変わる調光レンズがあれば万全です。

<c.雪山登山(雪山~春の残雪エリア)>

『フレーム構造(冬)』
低温になるため、フレーム全体にメタル(ステンレスなど)が露出しているものはあまり適しません。カバーが付いていれば問題なし。
サングラスには少ないのですが、メガネなどで時々あるフレームが細く柔らか過ぎるものは、冬山には向かない様に私の経験上思えます。理由として、厚みのあるグローブを付けていることが多いので、あまり細かったり柔らかいと、扱い難いのです。
『レンズ(冬)』
ここでは雪山を想定して考えます。レンズカラーは3シーズンなどで使用する物よりも、濃い目の物をお勧めします。普段使用すことの少ない透過率5~13%と言った濃さのレンズでも調度よく感じるほどです。晴天時の雪斜面の光線は半端な強さではありません。日本人は光に対して眼が強いので、薄い色のレンズでもあまりに気にしない人もいます。ただ知らぬうちに、疲労がたまり頭痛を引き起こしたり、体の疲れにも影響してきます。もちろんサングラスを一切しなければ、最悪の雪目となってしまうのです。また色の変わる調光レンズは一般的には便利ですが、低温で紫外線の強い雪山では向かない物もあるので注意が必要です。調光レンズを雪山で使うのであれば、詳しい販売店で相談しましょう。(理由:調光レンズによっては色が濃くなりすぎて見えにくくなる場合があります)

<d.高所登山・海外など(積雪エリア)>

一番特殊なシーンとも言える高所登山。基本的には海外の4,000mを超える山からヒマラヤなど8,000m級の山が想定となり、季節を問わず雪が積もっている状況がほとんどと考えることができます。
『フレーム構造』
低温になるため、フレーム全体にメタル(ステンレスなど)が露出しているものは適しません。登山用に作られている物であれば良いですが、一般的なメタルフレームサングラスはNG。
より過酷なシーンが前提となるため、軽量化だけを求めず、フレーム構造もしっかりした作りの物の方が安心できます。高所ではグローブを付けている事がほとんどなので、グローブでも扱いやすい物がお勧めです。
基本的にはc.の雪山登山(雪山~春の残雪エリア)で説明した機能と類似しますが、よりその機能性に特化したものが必要となります。共通機能である「風・砂・ほこりと紫外線が入り込まない様に、すき間が空かない構造になっている。」に関してもより、確実にその機能を発揮できるタイプが良いでしょう。専用デザインのモノが発売されています。
高所登山でも、ヘルメットの使用頻度は高いため、ヘルメット、耳、テンプル(つる)の相性にも気を付け、サングラスのテンプルが長すぎたり、特殊構造、太すぎるものなどは避けた方が良いでしょう。
『レンズ』
高所登山用のレンズは、専用の特殊なものを使用する事をお勧めします。透過率で言えば10%以下となってきます。Monte-Paz Productsで扱うCEBEの高所登山用レンズは全て透過率5~8%(カテゴリー:4)という非常に濃いレンズを使用しています。紫外線の強さを示す「UVインデックス(紫外線の強さ)」は標高が1000m高くなると約10%増加するとされています。この事実を考えると、海外の高峰では、日本では体験しないような、強烈な紫外線と光に曝されているわけです。高所登山用レンズには、紫外線だけでなく、赤外線もカットして眼の疲労を抑える機能がある物もあります。日常生活レベルでの赤外線は問題となりませんが、超高所では熱線となり眼を疲労させるのです。また、レンズの裏面にもARコート(Anti Reflective Coat)と言って、反射防止コートが施されたレンズを使用したサングラスもあります。それにより、顔とフレームの隙間からレンズの裏側に入り込む光の反射も抑え、快適な視界を確保してくれます。高所の強烈な日差しと雪面からの照返しがある場面で、その効果はより発揮されます。
レンズ素材は他の登山スタイル同様にポリカーボネート、NXTが基本的におすすめですが、高所登山用の特殊な強化ガラスを使用したものも使えます。
※高所登山を目的とする場合はサングラスに対する知識豊富な販売店で購入されることをお勧めします。
つづく
更新日:2017/11/3
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